失敗が怖くて仕入れができない…。古着転売初心者だった頃の私はビビりまくって行動できないチキン野郎だった。

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「佐伯さん、このシャツは仕入れてもいいのでしょうか?」
「この汚れはダメですよね?」
「これだと売れなくて損しちゃうかも…。」

 

4月初旬。

小学校の体育館くらいの広さはある古着卸業者の倉庫。

数万トンの古着が整然とラックに掛けられている様は圧巻だ。

 

そんな倉庫内で小柄な女性のKさんは、
1枚1100円のシャツを眺めながら表情を曇らせていた。

シャツをショッピングカートに入れては出して眺める…。

入れては出して眺める…。

かれこれ20分以上は考え込んでいるのではないだろうか。

そんなKさんから

「佐伯さん、このシャツは仕入れてもいいのでしょうか?」

と、相談を受けた。

 

今日は私が所属する古着転売塾クラスタが、
月に1回開催している塾生限定の卸仕入れツアーの日だ。

古着転売塾クラスタとは、古着転売の本を2冊も出版、
まさに「古着転売のプロ」であるしーなさんが主宰する塾である。

そんな塾が提携する卸業者の倉庫で
しーなさんから直接アドバイスをもらいながら仕入れができる。

だから初心者の塾生だったとしても
利益が出る商品をちゃんと選べる。

それが卸仕入れツアーだ。

 

しかしそんな場所であるにもかかわらず、
Kさんの表情は暗かった。

Kさんは最近入塾した塾生だ。

今までKさんはノーブランドのスウェットをメイン商材としていた。

すでに販売ターゲット(自分のお客様)は固まっており、
スウェットであれば自分で仕入れができるレベルである。

 

ただ、スウェットだけでは夏になったら売れなくなるのではないか。

もっと扱える商材を増やした方がいいのではないか。

そんな不安もあって、今回はしっかりとデザインをリサーチした上で
シャツの仕入れに挑戦していた。

 

でも初めて扱う商材の仕入れに自信がもてない。

本当にその仕入れは正しいのか。

もしかしたらリサーチが間違っているのではないか。

仕入れたはいいけど売れなくて損をするのではないか。

そんな不安があって仕入れができずに
20分以上悩んでいたのである。

 

そんなKさんと話をする内に、

「ああ…自分もKさんと同じように悩んでいたことがあったな。」

と、初心者だった頃の失敗を思い出していた。

 

数年前、初心者だった頃の私もKさんとまったく同じだった。

失敗が怖くて仕入れがまったくできなかったのである。

特に私の場合は、何度も仕入れに失敗していたから
余計にタチが悪かった。

 

私は塾に入る前、リサイクルショップで仕入れをしていた。

ツイッターの
「ラルフローレンのシャツが売れる」
という情報を信じて仕入れまくったわけだが、
結局それは思うように売れなかった。

 

「なんで売れないんだよ…。」

「売れるってツイッターには書いてあったじゃん…。」

「このままじゃ大赤字だ…。」

「古着転売で稼ぐなんて俺には無理なんだ…。」

こんな失敗を何度もしていた。

 

だから入塾してからも仕入れには超慎重でビビりまくっていた。

「もしかしたらまたあの時みたいに失敗するんじゃないか…。」

「しーなさんは売れるって言ってるけどそれって本当なの?」

「何を信じたらいいのか分からない…仕入れが怖い。」

「もう売れない商品は絶対に仕入れたくない…。」

「仕入れに失敗するくらいなら仕入れない方がマシだ。」

そんな風に考えてどうしても一歩が踏み出せなかった。

売れる商品はちゃんと教えてもらっているのに…。

 

そんな私でも今では副業の古着転売で
最高月収50万を稼ぐまでに成長した。

そのきっかけは塾が主宰するタイでの仕入れツアーに参加して
しーなさんと会ったことだった。

 

その場で私はしーなさんからけちょんけちょんにされた。

「佐伯さん、ちゃんと作業してますか?」

「~だから~なんですよね?」

「ちゃんと考えてますか?」

 

悔しくて泣きそうになるくらいボロクソに言われた。

あまりにも悔しくてホテルの部屋で枕に顔をうずめて、

「あーーーー!!」

と、毎晩叫びまくった。

 

5歳も年下の奴にボロクソに言われる経験なんて
生まれて初めてだった。

でも古着転売で稼げていないという事実があるから
何も言い返せない。

そして何も分かっていないのに分かったフリをして
かっこつけていた自分が恥ずかしくて仕方がない。

 

もう悔しいやら恥ずかしいやら情けないやらで…
頭の中はぐちゃぐちゃだった。

「ちくしょう…ちくしょう…。」

「絶対に見返してやる。」

「古着転売で絶対に稼いでやる。」

「今に見てろよ…。」

そんな思いで帰国した。

 

それからは仕入れにビビることはなくなった。

いや、ビビってる場合なんかじゃなくなったという方が正しい。

だって仕入れなかったら売る商品がないということ。

売る商品がなかったら稼げない。

 

稼げなかったらいつまでたっても、
しーなさんからけちょんけちょんにされた時の自分のまま。

そんなの絶対に嫌だった。

 

だからしーなさんから言われた通りに
仕入れまくって出品しまくった。

自分の作業時間には限界があったから、
今までビビッてやらなかった外注化にも取り組んだ。

失敗が怖くてビビりまくっていたことをどんどんやっていった。

 

すべてはしーなさんを見返したかったから。

情けなくてみじめな自分を変えたかったからだ。

 

そんな風に失敗を恐れずに行動し続けたら
いつの間にか稼げるようになっていった。

そして今年になって副業の古着転売で月収50万を達成。

まだまだたいしたことはないが、
タイでしーなさんと会った時よりかは成長することができた。

それもすべては失敗を恐れずに行動し続けたからだ。

 

仕入れに自信がもてなくて悩んでいるKさんを見たら、
そんな昔の自分を思い出した。

だからKさんには、

「ちゃんとリサーチできているから大丈夫ですよ。」

「悩む時間がもったいないです。」

「失敗を恐れずに仕入れてみて、売れるかどうかデータをとりましょう。」

と、伝えた。

 

昔の私の失敗を踏まえながらそれを伝えたところ、

「そうですね!やってみなきゃ分からないですよね!」

と、Kさんの表情は明るくなった。

 

「そうだよな…失敗にビビッてたら何も変わらないよな…。」

「俺も失敗を恐れずに行動してもっともっと成長しなきゃな…。」

Kさんの姿に昔の自分を重ねたことで、
改めてそんな思いを強く抱いた。

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