俺が稼げないのはお前のせいだ!すべて他人のせいにして怒りや不信感に支配されていた愚かな私。

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「何で言う通りにやってるのに上手くいかないんだよ!」

「こっちは金払ってんだぞ!」

「俺ができないのはお前のせいだ!」

「お前の教え方が悪いからダメなんだ!」

 

2019年の春。

妻や子ども達が寝静まった23時。

私は自宅の一室で物音を立てないように気を付けながら
古着転売の出品作業をしていた。

春とはいってもまだまだ肌寒い日が続いている。

蛍光灯の白い光も相まって
室内はよりひんやりとした静けさに包まれていた。

だがそんな静けさとは裏腹に、
私の頭の中はドロドロとしたどす黒い怒りと
不信感で満ち溢れていた。

 

それはまるで異臭を放つヘドロのよう。

全身をめぐる血液のごとくゆっくりと
「それ」が体中に充満していくのを感じていた。

でも私は「それ」を外部に放出することなく
必死に体内にとどめて我慢していた。

今にも体中の穴という穴から吹き出しそうになる。

でもグッと息を止めて飲みこむようにしながら
耐えて耐えて耐えまくっていたのだ。

 

写真を撮るために古着をハンガーに掛ける。

そしてスマホのシャッターを押す。

そんな感じで無表情で淡々と作業をこなしていた。

 

でも本当はハンガーを思いっきり床に叩きつけてやりたい。

スマホの画面を叩き割って粉々にしてやりたい。

思いっきり大声で気が狂ったかのように叫び声をあげたい。

そんな破壊的な衝動に駆られていたのだ。

 

なぜ私はこんな怒りや不信感を感じていたのか。

それは古着転売塾クラスタに入塾したにもかかわらず、
目標月収である30万を稼げていなかったからだ。

古着転売塾クラスタとは、
月収400万を稼ぐネットビジネス起業家であり、
古着転売の本を2冊も出版されている
しーなさんが主宰するビジネス塾である。

古着転売で月収20~30万を稼ぐのは当たり前。

中には100万以上を稼ぐ塾生も輩出している。

 

そんな中、私は古着転売で
月に7万程度の利益しか出せていなかった。

しかもその利益を出したのは入塾当初のこと。

5万…3万…少しずつ稼げる金額は少なくなっていた。

このままではなんのために入塾したのかわからない。

 

ヤバイ…マジでヤバいぞ…。

いったい何が悪いんだ?

俺は疲れて仕事から帰ってきても
こうやって作業やってるじゃないか。

なのにいつまでたっても結果は出ない。

むしろ少しずつ悪くなってる。

もしかするとこれは俺のせいじゃないんじゃないか?

そうだ…きっとそうに決まってる。

だって俺はしーなさんの言った通りにやってる。

なんで言う通りにやってるのに上手くいかないんだよ!

これは絶対しーなさんのせいだ!

アイツの教え方が悪いから俺は稼げないんだ!

ちくしょー!こっちは金払ってんだぞ!

どうしてくれるんだ!この野郎!

そう、私はこんな感じで結果が出ないのを
しーなさんのせいにして怒りまくって疑っていたのだ。

 

そして2019年の夏。

私はタイまでしーなさんに会いに行った。

なぜタイなのかというと、
世界的な古着市場であるタイで
塾の仕入れツアーが開催されたからだ。

入塾してから半年以上がたっていたが、
私はそれまでしーなさんに直接会ったことがなかった。

会うことにビビっていたのだ。

「俺みたいなショボい奴がしーなさんに会うなんて恐れ多い。」

「もっと稼げるようになってから会えばいっか。」

なんて言い訳して逃げていた。

 

でもこの時はこのままじゃ何も変わらないという危機感と、
しーなさんへの怒りや不信感が背中を押してくれた。

塾生限定のチャットワーク内に
仕入れツアーの案内が上がった瞬間、
しーなさんにLINEをして参加表明した。

 

「さあ、いよいよ初めてしーなさんに会えるぞ。」

「いったいどんな人なんだ?」

「こんなにも頑張ってる俺がなんで稼げないのか。直接会って原因を追及してやる。」

会うことにビビッてはいたが、そんな強気な自分もいた。

 

そしてタイではしーなさんと数日間行動をともにした。

その間、しーなさんは私にありとあらゆることを教えてくれた。

正直に包み隠さずストレートな言葉で私の課題を明確にしてくれた。

 

「僕は~って言ってますけど、佐伯さんやってますか?」

「そもそも、出品数少なすぎますよね?そんなんでどうやって稼ぐ気ですか?」

「その悩みは~をすればすぐに解決しますよね?分かってるのに何でやらないんですか?」

「というか僕に会いに来るの遅すぎですよ。この半年間何やってたんですか?」

 

しーなさんの話す一言一言が正論すぎて
何も言い返せなかった。

私はしーなさんの言う通りに何もやっていなかったし、
何もできていなかった。

そして言われるまでそれに気付かずできている気になっていた。

 

めちゃくちゃ恥ずかしくて情けない…。

穴があったら入りたい…。

そしてその穴に一生入っていたい…。

こんなにもみじめな思いをしたのは生まれて初めてだった。

 

そしてタイから帰国後、
まず私は自分が何もやっていないのを棚にあげて
しーなさんのせいにしていたことを反省した。

俺が稼げないのはしーなさんのせいじゃない。

俺がしーなさんの言う通りに何もやっていないからだ。

 

そう思って古着転売に対する取り組み方を根本的に改めた。

今までの私はやってるやってるって言ってたけど、
全力ではやっていなかった。

仕事が忙しいと言い訳してビールを飲んで寝る日があった。

家事育児を理由にして作業や勉強をサボる日があった。

それなりにはやっていたが、あくまでも「それなり」。

「それなり」しかやっていないから、
「それなり」の結果しか出ないのだ。

ちょっと考えれば当たり前のこと。

 

例えば、プロスポーツ選手はどうか。

競技に人生を捧げて真剣に向き合って努力しているからこそ、
他人よりも成果が出せている。

 

俺はそこまで真剣に覚悟をもって古着転売をやっていなかった。

まあ、なんとなく上手くいって結果が出ればいいよね。

その程度の軽い気持ちだった。

それじゃあ、ダメに決まってる。

まずは覚悟を決めて全力で古着転売に取り組もう。

そう決めた。

 

その覚悟で古着転売をやってみた。

以前と比べて一番変わったのは作業量だった。

単純に1か月あたりの出品数がめちゃくちゃ増えた。

で、出品数が増えれば集まるデータも桁違いに増える。

そのデータを分析して仕入れや写真、
説明文に手直しを加えていく。

そうやって少しずつやり方を改善していった。

それにともなって収入はどんどん伸びていったのである。

 

そしてついに2020年10月。

私は副業の古着転売で月収50万を達成した。

会社員の給料以上の収入を古着転売で得られるようになったのだ。

会社員の給料+数十万の収入が毎月入るようになったことで、
まず口座の残高を確認しなくなった。

だって確認しなくても十分にあることが分かっているから。

その安心感がハンパない。

 

古着転売で稼げるようになる前までは、
毎月口座の残高を見ては頭を悩ませていた。

「今月は保険料の支払いがきついな。」とか、

「家族旅行したかったけど今月は無理だな。」とか。

でも古着転売で稼げるようになったら、
そもそもお金のことを気にしなくなった。

妻ともお金の話をまったくしなくなった。

だからお金が原因で妻と言い争ったり
ケンカになったりすることもない。

 

お金がなかった時はお金のことばっかり考えてたけど、
お金が十分にあるとお金のことを考えなくなる。

そしてお金のことを考えなくていい生活ってめちゃくちゃ最高。

いかに今までお金のストレスに悩まされていたのか。

お金があると心に余裕がうまれる。

今までお金に悩んできた私にとっては驚くべき発見だった。

 

こんな生活ができるようになったのも、
タイから帰国した後に他人のせいにすることをやめたから。

何事も上手くいかないのは他人に原因があるのではなくて、
自分に原因があると考えるようにしたから。

そうしたら何もかもが好転して
古着転売で月収50万稼げるようになった。

 

今、私は半年間で100万のコンサルを受けて、
古着転売以外の新しいビジネスの勉強をしている。

そんな中、上手くいかないことがあると
他人のせいにして逃げたくなることもある。

でもそんな時は古着転売で稼げなかった時のことを
思い出すようにしている。

「あの時は他人のせいにしてばかりでちっとも上手くいかなかったよな。」

「他人のせいにしないで自分の取り組み方を反省したら上手くいったよな。」

って。

そうすると現状から逃げ出さずに
踏みとどまってもうひと頑張りできる。

まだまだ私自身、頑張りが足りていない。

よーし!もっともっとやってやるぞ!

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