穴があったら入りたい…。古着転売で月7万稼いで天狗になっちゃった痛い奴は私です。

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「そんな仕入れ方じゃいつまでたっても稼げないですよ。」

「佐伯さん、古着転売始めてからもうすぐ1年になるんですよね?」

「よくそんなんで7万稼げてましたね…マジでやばいっす。」

 

2019年の夏。

ここはタイのとある屋外古着市場。

数十軒…いや数百軒はあるだろうか。

所狭しと脇を固めるように
現地の古着屋が立ち並んでいる。

私はそんな古着市場にある一つの店舗で、
古着転売の先生と仕入れをしていた。

日本に持ち帰れば間違いなく利益の出る商品ばかり。

本来なら楽しくて仕方がないはずだ。

でも私にはその時間を楽しむ余裕など
微塵もなかった。

なぜなら私は先生から
徹底的に仕入れのダメ出しをされていたのである。

 

私が仕入れ対象外だと判断した商品を見た先生の表情は険しい。

「なんでこれ仕入れないんですか?」

その言葉に私は思わずビビッて声がうわずる。

「いや…これは首周りのヨレや汚れがあるので…。」

ボソボソと弱々しい声でつぶやくように答える。

 

「いやいや、この汚れだったら全然ありでしょ。」

「これくらいの汚れを今までスルーしてたんですか?」

「これは古着好きなら気にしない汚れですよ。」

「佐伯さん、ターゲット(お客様)のこと何にも分かってないですね。」

「今まで何やってたんですか?」

「それじゃあ、いつまでたっても稼げないですよ。」

先生から容赦なくダメ出しが繰り出される。

 

古着市場は東南アジア特有の
ジメジメした蒸し暑さに包まれている。

そんな中、私は背中に氷が張り付くような寒気を感じていた。

身震いするような寒さ、でも汗は止まらない。

なんなんだよ…この感覚は。

いつまでこのダメ出しは続くんだよ…。

もういい加減にしてくれ…。

頼むから早く終わってくれ…。

私はまさか異国の地であるタイで、
こんなにも悔しくて情けなくてみじめな思いをするとは
思ってもみなかった。

 

当時、古着転売で月に7万稼いでいた私は
ぶっちゃけ調子に乗っていた。

「俺、仕入れなんて完璧だから。」

「もうこれ以上学ぶことなんてないっしょ。」

まさに鼻が伸びきった天狗のよう。

 

そしてそんな私の伸びきった鼻は
見事にへし折られた。

7万稼げていたというちっぽけな自信や
しょうもないプライド…。

そのすべてを完膚なきまでに否定されて
打ち砕かれたのだ。

 

そんな私の鼻をへし折ったのは、
古着転売の先生であるしーなさん。

しーなさんは若干30歳にして
月収400万を稼ぐネットビジネス起業家。

古着転売の本を2冊も出版されており、
月収100万を稼ぐ塾生を輩出している古着転売塾を主宰。

まさに古着転売のプロである。

 

その頃の私は古着転売を始めて
1年が経とうとしていた。

独学での失敗を経て、
しーなさんが主宰する古着転売塾に入塾。

月に数万程度の利益は出せるようになっていた。

 

だからだろう。

その頃の私は調子に乗っていた。

塾には塾生限定の古着転売に関する動画教材があるのだが、
それを見て勉強することすらやらなくなっていた。

「動画の内容なんて全部分かってるしね。」

「こんなのもっとレベルの低い奴が見るもんでしょ?」

「俺ぐらい仕入れができるなら見る必要なんてないし。」

「だって俺、そこそこ稼げるようになってるしねー。」

そんな感じでサボりまくっていた。

 

本当は全然できていないのに、
できているつもりになっていたのだ。

月に数万しか稼げていないのに
調子に乗っちゃうただの勘違い野郎。

めちゃくちゃプライドの高い痛い奴。

それが当時の私だった。

 

そして案の定、私はそれ以上稼げなくなった。

今考えれば当たり前。

だって勉強するのをサボって何もやってないんだから。

「動画見るのダルいし今日は寝るか。」

「仕事疲れたなー、出品するのやめてビール飲もっと。」

「まあ、ちょっとくらいサボったって大丈夫だよねー。」

こんなんじゃ稼げるようになるわけがない。

 

私はもっともっと稼ぎたかった。

月7万程度では満足していなかった。

副業で会社員の給料以上を稼ぎたい。

そう思って古着転売塾には入塾していた。

 

でも一向にそれ以上収入の伸びる気配がない。

むしろ収入は落ちていた。

「なんで俺はこんなに頑張っているのに稼げないんだ?」

本気でそう思った。

当時の私にはなぜ自分が稼げないのか
原因がさっぱり分からなかった。

 

「俺には古着転売の知識もあるし作業も頑張ってる。」

「しーなさんの言う通りにやってるし…。」

「てことは、しーなさんの教え方が悪いんじゃないのか?」

「俺が稼げないのはしーなさんのせいなのかもしれない。」

 

そう考えて私はタイまでしーなさんに会いにいったのだ。

「あなたの言う通りにやってるのに稼げないのは何でなのか、
ちゃんと教えてくださーい!」

って感じ。

ああ…本当に昔の自分バカだ…笑。

 

そしてタイでしーなさんにボコボコにされた。

圧倒的な知識量の差を見せつけられて
何も言い返すことができなかった。

今まで目を背けてきた「できていない自分」「何もやっていない自分」を
直視させられた。

 

悔しくて情けなくて恥ずかしくて…。

穴があったら入りたい…。

何で俺はこんなにも調子に乗っていたのだろう…。

アホすぎて死にたい…。

そんな思いにさせられた。

 

直接言われたわけではないが、

「佐伯さん、あなたは何もできていないし、何もやっていません。」

「そのことに早く気付いてください。」

「じゃなきゃ何も変わりませんよ。」

それをしーなさんは私に教えてくれた。

調子に乗っていた私の鼻をへし折ってくれたことで、
気付かせてくれた。

 

タイからの帰国後、私の行動は変わった。

今までやっているつもりになってサボっていた古着転売の勉強を
もう一度やり直した。

やり直してみると不思議なもんで、

「俺って仕入れのこと分かってるつもりだったけど、何にも分かってなかったな…。」

「やり直してみて良かった…勉強になったな…。」

そんな気付きの連続だった。

「古着転売で数万稼いだ」という
ちっぽけな自信やプライドを否定したことで、
素直に学べるようになったのである。

そんな感じでどんどん知識を吸収し行動し続けた。

 

そしてあれから1年がたった2020年10月。

私は副業の古着転売で月収50万を達成した。

念願だった会社員以上の収入を
副業の古着転売で得ることができるようになった。

 

古着転売を始める前はいつもお金のことで悩んでいた。

子ども達の教育資金や自分達の老後の生活費、
あとは住宅ローンの返済…。

将来のお金の心配ばかりで、
ちっとも今を楽しめなかった。

 

それが古着転売で稼げるようになったら
お金の悩みは消し飛んだ。

自分の好きなことややりたいことに
お金を使いながら貯蓄もできる。

そんな生活ができるようになった。

 

そしてお金の悩みがなくなったら、
今度は時間的な自由が欲しくなった。

会社員として拘束される時間がもったいない。

もっともっと自分の好きなことややりたいことに
時間を使いたい。

一度きりの人生、後悔したくない。

そう思い、2021年3月に会社を退職して独立した。

今は自分のやりたいことを存分にできる環境を手に入れて
毎日ワクワクしながら過ごしている。

 

最近は古着転売は外注さんに任せて、
空いた時間を新しいビジネスの勉強に費やしている。

半年間で100万のコンサルにも申し込んだ。

新しい知識が身に付くと
今まで見ていた世界がガラッと変わる感覚がある。

それが面白くて楽しくて仕方がない。

もっともっといろんな世界を見てみたい。

そんな気持ちにさせられる。

 

もしもあの時タイでしーなさんに会っていなかったら…。

もしも調子に乗っていた私をボコボコにしてくれていなかったら…。

そう思うとゾッとする。

絶対に古着転売で会社員の給料を超えるほど
稼げるようにはなっていなかった。

ましてや脱サラして自由な生活を手に入れるなんて…
そんなことあるわけがない。

本当にあの時タイでしーなさんに会って良かった。

タイでボコボコにされて良かった。

本当にそう思う。

 

しーなさんは、

「佐伯さん、本当にプライドが高いですよね。」

「僕もそうですけど、ちゃんと自覚しなきゃダメですよ。」

と、よく私に言ってくれる。

本当にその通りだなと思う。

 

人間誰しもプライドはある。

そしてそんなプライドを自覚できていないと、
昔の私のように素直に学ぶことができない。

「これぐらいのこと俺は分かってるし。」

「分かってることなんて学ぶ必要なんてないよ。」

って。

だからいつまでたっても何も変わらず成長できない。

 

でもプライドを自覚できれば、
自分の現状を正しく把握できるようになる。

できていない自分が分かるから、
やるべきこともはっきりする。

だから素直に学んでどんどん成長できる。

 

私はこれからもいろんなことを学んで成長していきたい。

そのためにはプライドなんてジャマ。

昔のような失敗を二度としないためにも、
プライドを自覚してどんどん勉強していきたい。

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